東京高等裁判所 昭和31年(ネ)1399号 判決 1957年1月31日
静岡県磐田郡田原村松袋井百二十八番地
控訴人
宗教法人皇道治教養老院信徒
産業購買販売協同利用組合本部
右代表者主管者
村松勝太郎
同
県磐田市見付二千三百八十五番地の四
被控訴人
磐田税務署
右代表者税務署長
道正信彦
右当事者間の法律条規確認請求控訴事件につき、当裁判所は昭和三十一年十月九日終結した口頭弁論に基き、次のとおり判決する。
主文
本件控訴を棄却する。
控訴費用は、控訴人の負担とする。
事実
控訴人は、「原判決を取消す。被控訴人は控訴人の存在を確認する。訴訟費用はすべて被控訴人の負担とする。」との判決を求めた。
被控訴人は当審において最初になすべき昭和三十一年十月九日午前十時の本件口頭弁論期日に出頭しないし、答弁書その他の準備書面を提出しない。
控訴人主張の本訴請求原因事実並びにこれに対する被控訴人の答弁は、すべて原判決の「事実」の部分に記載してあるところと同一であるから、ここにこれを引用する。
理由
按ずるに、税務署は国税に関する事務を分掌する行政官署であつて、本件の如き訴訟に関し法令上これに権利能力を認めた規定がないから、被控訴人には当事者能力がないものといわなければならない。
然らば本件訴を却下した原判決は正当で、本件控訴は理由がないからこれを棄却すべきものとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法第九十五条、第八十九条を適用して主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 渡辺葆 裁判官 牧野威夫 裁判官 野本泰)